出産育児に対する方針

日本と海外で違うことはいくらでもありますが、その一つが、出産・育児に対する考え方でしょう。
今、日本で一般的なのは「赤ちゃんに優しい」「なるべく自然に」という考えです。
当たり前、と思われるかもしれませんが、必ずしもそうとは限りません。

「赤ちゃんに優しい」のは、言い換えれば「母親に厳しい」ということですし、
「なるべく自然に」も、小家族が一般的でベビーシッターも殆どいない現代日本では母親・父親にとっては不自然な労働を迫られることを意味します。

そもそも、日本も高度成長期は母乳よりミルクの方が健康によいとされていました。
今は、「小さく産んで大きく育てる」のが主流ですが、昔は赤ん坊は大きければ大きいほど良いとされていました。
妊婦の食事制限なんて、昔は考えられなかったでしょう。

何をもって科学的か、何を持って「良い」とするかは、状況や考え方によって違うので、
一方的に決めることはできないですが、とにかく、日本で一般的な「赤ちゃんに優しい」「なるべく自然には、世界の中では少数派のようです。

アメリカでは、無痛分娩が一般的です(100%近いだとか)。
妊婦に、麻酔を打って、出産を行います。
ほとんど痛みを感じずに済むそうです。
また、母体への負担も少ないので、出産後すぐに働きたい人には向いていますね。
帝王切開も一般的です。これまた痛みも少なく、母体に負担は少ないです。

ただし、母親が痛みを感じずに出産するのは、子供の将来に良くない、とする考えもあります。
人間には極度の状態になると脳内麻薬を分泌する能力があります。
出産の痛みは人生最大の痛みだそうで、当然脳内麻薬が人生最大量、分泌されることになります。
脳内麻薬は一般の麻薬よりよほど強力で、それゆえ得られる幸福感は尋常ではないようです。
自然分娩だと、出産の時に人生最大の幸福を感じることができるので、
赤ん坊と幸福感の association (関連付け)が、母親の脳内で成立すると言います。
平たく言えば、子供への深い愛情を持てるようになるわけです。
その結果、将来子供が反抗した時でも、虐待をする確率が低くなるそうです。
逆に、帝王切開や無痛分娩だと、子供の虐待が起き易いそうです。

それが理由なのかはわかりませんが、ともかく今、日本では自然分娩マンセーです。
対して、アメリカ、イギリスでは、帝王切開、無痛分娩が主流。
アメリカやイギリス、オーストラリアにいる同僚とも、この話をしたのですが、
彼らからすると、日本の自然分娩至上主義は、野蛮に聞こえるそうです。

そして、お父さんたちの大好きな暗黒の国フィリピンや、天使の都があるタイは、
アメリカの考え方に近いようですね。
特にタイは医療レベルも高いので無痛分娩の比率も高いようです。

彼らからすると、むしろ日本の考えの方が野蛮だと思っていますから、
日本の病院のやり方を説明してもなかなか分かってもらえないことが多いです。

聖路加病院のように外国人受け入れに慣れている病院ならともかく、
一般の日本の病院で分娩するとなると、外国人の奥さんへの説明もかなり大変になると思います。

どうして食事制限しないといけないか、理解してくれないでしょうし、
(自然分娩では、赤ん坊のサイズが死活的に大事です。少しでも小さい方が楽です。)
大変な思いをして一年近くも授乳しなければならない理由も分かってくれません。

私も、美佳への説明で結構苦労してます。
やっぱり、彼女たちが読む本や、周囲は「母親に優しい」方針での出産をしてるからなおさらですね。

まあ、凹売り娘たちは一般に正しいアドバイスには耳を傾けない、という理由もあるんでしょうが。笑

ともかく、下のサイトのドキュメントは少し手助けになると思います。
タイだと入院グッズは何もいらないのに、日本はスリッパからコップから、下着まで
持って行かないといけないということも、書いてくれていたります。

奥さんが外国人でこれから出産を迎える方は一読されることをお勧めします。
ママと赤ちゃんのサポートシリーズ

日本語と外国語を併記ですから、二人で読めるでしょう。
英語だけでなく、いろんな言語のバージョンがあります。
残念ながら? タガログ語版もあります。笑

※フィリピン人が奥さん、特に元じゃぱゆきさんの場合は、
あまり上記のような苦労がないかもしれません。
じゃぱゆきコミュニティでは、上記の話題は結構有名だそうです。

さて、「母親に優しい出産が主流」「若い母親が多い」タイ出身の美佳ですが、
今日も元気に裸同然の格好をして、歩き回っています。
まだ7.5cmのハイヒールを履いています。

いやあ、このまま「母親に厳しい」日本での出産、どうなるんですかねえ。苦笑

by plastictakata | 2008-06-19 00:20 | 日本  

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