[タイ滞在記] X : 四日目 - マービンとの会話

[前回までのあらすじ]
私のオキニのタイガール、通称三船美佳とチェンマイのお寺を観光中、彼女の携帯がなりました。
電話に出て2,3言、会話したかと思うと、突然、彼女は私に携帯を渡しました。
誰かと思って電話に出た私が聞いたのは、野太い男の声でした。
「マービン(アメリカ海兵隊彼氏の名前)よ。」と
美佳が私の耳元でささやくのとほぼ同時でした。



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あまりに予期していなかったことで、びっくりしました。
こうなると、もう条件反射的な言葉しかでてきません。
「ハーイ、マービン。はじめまして、だね。調子はどう? 声がきけてうらやましいよ。」
英語っていう言語は幸いなことに、会話の最初はこういう決まりきった言葉で
ハンドシェイクをするプロトコルになっていますので、自分でもびっくりするくらい
すらすら言葉がでてきました。

一方、マービンの方は、私よりさらに驚いていたようです。
「え? 誰だい? 俺はマービンだけど。君は...亨(とおる)か?」

まあ、マービンの驚きは想像に難くありません。
この時、美佳とマービンは私に電話を変わる前に、以下のような会話をしていたそうです。

マービン「ハイ、美佳。元気かい? 今、何をしてるんだい?」
美佳「今、チェンマイにいるの。」
マービン「え? チェンマイ? どうして? 学校はどうした? 誰と一緒なんだい?」
美佳「....」
マービン「ボーイフレンドと一緒なのかい?」

ここで、美佳はマービンに何も答えずに、私に電話を渡したようです。
マービンは、「ボーイフレンドと一緒なのかい?」と聞いたものの、
それは半ば冗談みたいなもので、いきなり男の声を聞かされるとは
予想だにしていなかったでしょう。

ともかく、マービンと私は、英語によくありがちな世間話から入っていきました。
イラクからの回線はとても音が悪く、聞き取りにくかったのですが、
マービンがひたすら、苦笑いしているのが聞こえます。

まあ、こういう状況だと笑うしかないよなあ、と、私もかなり同情してしまいました。
一通りの世間話が終わった後、間がもたなくなったせいか、マービンの方から
「美佳に電話を代わってくれないか。」
と切り出してきました。
後日、メールで、マービンは私に「社交的でなくて申し訳ありませんでした。」と
謝ってきましたが、マービンの苦しい胸のうちは容易に想像できます。


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美佳とマービンは、1,2分話した後、電話を終えました。
そして、私は美佳に聞きました。
『どうして電話を変わったの?』
「あなた、私のこと信じてないでしょ。私はマービンと別れたって言ったのに信じてないでしょ。」
『....』
「マービンは、ボーイフレンドと一緒にいるのか、って聞いてきたの。
だからあなたに電話を代わったの。これで、私のこと信じる?」

まっすぐ私をみつめる美佳の視線は、2日前に、写真を燃やしたときのあの、
何かを吹っ切ったかのような表情でした。

「その気持ちはうれしいけど、少しはマービンの気持ちも考えなよ。」
と私は言いましたが、美佳がどの程度理解したかわかりません。
さて、この電話の興奮も冷め遣らない中、私と美佳はクラトーンへの名前をいれ、
それぞれのクラトーンを、他の人たちと同様に、模型の船にいれたのでした。

ちなみに、寺のお堂の中では、お年寄りたちが、クラトーンをひたすら作っていました。
いったい何千のクラトーンをつくるのか分かりませんが、ご苦労様です。

ともあれ、ワット・プラシンでの電話は、写真焼き捨て事件に続いて強烈な体験でした。

by plastictakata | 2006-11-20 02:28 | タイ  

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