[タイ滞在記] VI : 二日目 - 写真を燃やす

30枚ほどの写真ですから、燃えつきるまでには相当な時間がありました。
美佳はうずくまって、写真が燃えるのをじっとみつめています。
時折、棒で写真を動かして、完全に全て燃やそうとしていました。
私は、黙って彼女を見ていました。

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美佳が何を思って写真を燃やしたのか、本当の気持ちはわかりません。
妄想狂オヤヂなら、独りよがりな解釈して大騒ぎするんでしょうけど、
私はそこまでメデタクないですね。

何十年か前、自分も同じことをしたのを思い出していました。
太い客を捕まえるため、思い出の写真を燃やしました。
常識を超えたことをしない限り、客の心はつかめない、ということは
経験で学んでいました。
似たような稼業の美佳も、意図的にやったかどうかはわかりません。

どちらにせよ、わかったところで意味のないことです。
人の気持ちなんて捕らえようのないものです。
自分自身にだってわからないでしょうから。
明日になれば別の衝動が起こって全く逆のことをするかもしれません。

ただ、確実にいえることは、行動には行動で応えないといけないということです。
美佳は、思い出の写真を燃やすという行動を示しました。
彼女の内心がどうであれ、私もそれに応じたパフォーマンスを示さねばなりません。

私のパフォーマンスというと、やはりあれです。
『これは、5万バーツ、いや10万バーツの追加くらいしないと収まらないな』と、
私は燃え尽きそうな炎を眺めながら考えていました。笑

(※ 写真が燃える画像は拾い物です。さすがに、美佳が写真を
燃やしている間は一枚も撮影できませんでした。)


二人がタクシーで都心の部屋に戻る頃にはすっかり夜が明けてきていました。
美佳はずっと無言でしたが、私の手をずっと固く握っていました。

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ホテルに着き、二人でまたいろいろな話をしました。
明日からの旅行のこと、前回会ってから今まで起こったこと。
海兵隊彼氏のこと。家族のこと。
お互いの日本語、タイ語の習得状況など。
そういえば、美佳の家には、日本語のテキストが増えていました。

ふと、美佳が財布を出してきたとき、財布の中にタイ男彼氏と海兵隊彼氏の
写真が入っているのが見えました。
さすがに、先ほどの直後なので、私も何も言わないでいました。
すると、美佳の方が言いました。
「この写真、あなたがして欲しいようにする。捨てた方がいいなら捨てる。」

これには私も答えに困りました。
結局、写真は私が預かることにしました。
そして、彼氏二人の写真はそのまま今も私の財布の中にあります。
どうしたもんだか。
美佳と縁が切れたときには送り返してあげようと思います。

さて、すっかり朝になっていたので、二人でレストランまで降りて朝食をとり、
美佳は先に寝て、私は仕事をしながら三日目の昼を迎えたのでした。

by plastictakata | 2006-11-14 00:01 | タイ  

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